なぜ聞こえるの？補聴器の仕組みを解説

補聴器の仕組みや機能を理解することで、自分の希望やライフスタイルに合った補聴器を選べます。補聴器の機能がわかりやすいよう、まずは音が聞こえる流れを紹介します。

人が音を聞くときの耳の中

画像引用元：日本補聴器販売店協会（https://www.jhida.org/hochouki/system.php）

人の耳は、外耳・中耳・内耳の大きく3つの部分に分けられます。耳の中に音が入ると、鼓膜が振動して耳小骨（ツチ骨・キヌタ骨・アブミ骨）がある鼓室を通り内耳に伝播。内耳は音の振動を電気信号に変換して脳に送る機能があり、脳まで信号が届くことで音を認識します。

難聴にも種類があり、内耳に伝わるまでの段階で何らかの障害があり難聴になるものを伝音難聴。脳に伝わるまでに何らかの障害で難聴になることを、感音難聴と呼びます。伝音難聴と感音難聴、両方の症状があらわれるケースは、混合性難聴と呼ばれています。

加齢による難聴の場合、多くは感音難聴。加齢によって蝸牛の中の有毛細胞（音を感知する細胞）がダメージを受け、音の情報をうまく脳に送れなくなります。

音の収集を助ける補聴器

補聴器は、日常生活において会話が聴き取りにくくなったときに、はっきりと音が聞こえるために使われる管理医療機器です。小さな機械の中に、マイクとアンプ、スピーカーがあり、マイクで集めた音とアンプで増幅・加工してスピーカーで音を出します。

有毛細胞が減り音を感知しにくくなっている耳に、大きくはっきりした音を届けるのが補聴器の役割。少ない細胞でも音が聞こえるようにサポートしてくれます。

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ただ音を大きくしている訳ではない

近年の補聴器はコンピューターによって細かく音を調整できます。音をHz（ヘルツ）によっていくつかのチャンネルに分け、そのチャンネルごとに音の大きさを調整可能。低音や高音だけ聞こえにくいケースにも対応でき、音によって小さすぎたりうるさすぎたりする問題を防げます。

補聴器の種類によっては音質を調整も可能。まろやかな音なのかパキッとした音なのか聞こえる音の質を変えられます。いくら聞こえても苦手な音では付けるのが億劫。日常的に長く聞こえのサポートをするため、細かな音の調整ができる補聴器が誕生しています。

両耳装用がより良い

補聴器の両耳装用では聞こえの範囲が左右同じになり、音の方向性を感じられ、より補聴器の効果が感じられます。距離感や平衡感覚が自然になり、より快適でバランスの良い音が聞こえるため、補聴器をつける負担が軽減。また、騒がしい状況の中でも、言葉が聞き取りやすくなり、音の聞き分けも容易になります。

自分の耳に合うように調整・フィッティングが大切

補聴器をより効果的に使用するためには、自分の耳に合うよう音を調整するフィッティングが大切です。購入するなら、補聴器の知識と調整の技術を持つ認定補聴器技能者が在籍していて、購入前に長い期間貸し出してくれる販売店がおすすめ。日常生活での使い心地を試し、その聞こえをもとに調整・フィッティングできます。