補聴器を初めて使う方に向けて、補聴器の仕組みや費用、補助制度、補聴器の寿命などについて詳しく解説します。
現在主流になっている「デジタル補聴器」は、コンピューターにより微細な音の調整が可能。小さな高性能コンピューター並みの機能が搭載されています。「マイクロホン(マイク)で音を集めて、アンプで音を増幅・調整し、スピーカーで音を出す」というのが主な仕組み。耳には入る音を大きくすることで、聞こえをサポートします。
機能によっては、特定の音域だけ大きくしたり、遠くの音を小さくしたりすることも。補聴器の仕組みや機能を理解することで、より希望やライフスタイルに合った補聴器を選びましょう。
補聴器の価格は、補聴器のメーカーや聴力の程度、搭載されている機能によって様々です。相場はおよそ1台(片耳)で10万円~30万円程度。補聴器本体の価格と調整などの技術料が含まれています。調整や技術が必要なほど高額になるため、既製品やポケット型の補聴器は、比較的リーズナブル。耳の型をとったオーダーメイド式の耳あな型補聴器だと、技術料が加算されるため高価になります。
補聴器を必要とする難聴者の方に対し、市区町村から「補助具費支給制度」として、補聴器購入の補助や助成の制度が設けられています。補助具とは、障害者の失われた身体機能を補うための用具で、日常生活に必要になるもの。障害者総合支援法に対応した補聴器があり、支給を受けるためには自治体への申請が必要です。自治体によっては、補聴器購入に関する独自の補助制度が設ける地域もあります。
補聴器の寿命は、一般的に5年程度と言われています。補聴器を寿命まで大切に使い続けるためには、水や湿気、汚れを防ぐことが重要です。補聴器はコンピューターのような精密機器。防水機能がついた補聴器であっても水気には注意し、しっかり乾燥させる必要があります。また、落として強い衝撃を与えたり、高温の場所に置いたりすることも故障の原因に。日頃の管理と定期的なメンテナンスをしっかり行ない、長く快適に使える補聴器を目指しましょう。
認定補聴器店は、補聴器の適正な販売のために公益財団法人テクノエイド協会が定めた基準を満たす店舗です。具体的には、測定・調整・適合に適した構造・設備を有している、認定補聴器技能者が常駐しているなどの基準を満たします。販売した補聴器について、必要な調整などを行ってくれる点も魅力です。ハード面・ソフト面とも充実しているため、自分に合っている補聴器を選びやすいと考えられます。スタッフの知識・技能などに一定の水準を求めたい場合は、認定補聴器店を候補に加えるとよいでしょう。
補聴器は医療機器であり、音域や音調など一人ひとりに合わせた細かな調整が可能な機器です。一方で集音器は音響機器とされており、基本的には小さな音の音量を上げて、音を大きくすることで聞こえをよくする機器です。補聴器はより個人に合わせた細かな調整やメンテナンスが行えます。販売場所も専門店など限られており、価格が集音器に比べて高くなります。対して、集音器は個人に合わせた細かな調整は難しいですが、家電量販店やインターネットでも購入できます。
骨伝導とは、音などの振動が頭蓋骨を通して直接聴覚神経に伝わること。骨伝導補聴器とは、この骨伝導の仕組みを利用した補聴器のことを指します。骨伝導補聴器に適する症状は伝音性難聴のみ。つまり異常がある部位が外耳や内耳であれば、骨伝導補聴器を付けると聞こえ方が改善される可能性があります。骨伝導補聴器はメガネ型、カチューシャ型、埋め込み型、軟骨伝導型の4つの種類があるので、自分に合うものを選ぶとよいでしょう。
補聴器レンタルは、月額数千円程度で補聴器を借りられるサービスです。主なメリットは、気になる補聴器の使い心地を確かめられる、自分に合っている補聴器の形状を確認できる、利用にあたりまとまった費用がかからないなどといえるでしょう。購入とは異なるメリットがあるため、上手に使いこなしたいサービスと考えられます。補聴器レンタルは「聴力測定・補聴器の選択・補聴器の取り寄せ・補聴器の再調整」の順で進みます。
補聴器が聞こえづらいなどの不調時には、電池が切れていないか確認することから始めましょう。また、補聴器の不調を防ぐために専用の乾燥ケースで保管するようにしましょう。ただし、乾燥ケースに入れる時は電池を外さなければいけません。電池を入れたまま乾燥ケースに保管すると、電池の寿命が短くなってしまいます。補聴器が耳あかによって目詰まりをしないよう、使用後はお手入れをすることを心がけましょう。
補聴器には「デジタル補聴器」と「アナログ補聴器」の2種類があります。アナログ補聴器は、マイクで拾った音をアナログ信号のまま増幅する補聴器。また、デジタル補聴器は、マイクで拾った音をアナログからデジタルに変換し、小さなコンピュータで処理が行われます。デジタル補聴器は、ひとりひとりに合わせて聞こえ方を調整できることもあり、現在の主流となっていますが、補聴器を選ぶ上ではこの2つの違いについてしっかりと把握しておくことが大切です。
スポーツをする場合、補聴器は聴力を補って不安なく体が動かせるようにサポートする重要な存在です。スポーツで使用する補聴器には、耳あな型・耳掛け型を使用しましょう。また汗をかいたり風でほこりが舞いやすい室外のスポーツをしたりするときでも心配のないように、防水防塵機能があるものをおすすめします。
補聴器は基本的に両耳に装用することを推奨されます。両耳に装用することで、自然な状態で聞き取りできるようになり、片耳装用と比べて耳への負担も少なくなるためです。片耳装用の場合は両耳装用に比べて費用を抑えられる一方で、雑音下での会話が難しくなるデメリットがあります。片耳装用を検討している方は、メリット・デメリットを押さえておきましょう。
うっかりなくしてしまうケースが多い補聴器。補聴器をなくしてしまう場所で多いのが自宅です。補聴器を外して置いておいたけど、自分でどこに置いたのかわからなくなってしまったというケースです。そのほかにも、うっかり耳から落ちてしまってどこにいったのかわからなくなったというケースもあります。補聴器をなくさないためにも、正しい管理を習慣づけましょう。
Bluetooth付き補聴器は、Bluetoothで補聴器とスマホをペアリングして使用します。スマホで補聴器の操作が行えるため、わざわざ補聴器を耳から取り外さずとも音量調整やプログラム調整が行えるメリットがあります。スマホと補聴器の通信が切れた位置を記憶する「補聴器を探す」機能が搭載されており、紛失対策に便利です。
円滑にコミュニケーションをとるため、難聴の家族に補聴器をつけてほしい人も多いでしょう。しかし、補聴器を必要とする本人は自覚がない、恥ずかしいなどの理由でつけたがらないケースもあります。そういった場合は解決策を知り、色々な方向からアプローチしてあげることが大切です。
補聴器を扱う業者や店舗の中には、自宅や介護施設など顧客の指定場所へ出張訪問するサービスを実施していることがあります。交通の便や距離的に店舗へ行くのが困難であったり、足が不自由な場合などに利用したいサービスです。こちらでは補聴器の自宅出張訪問の概要やメリット・デメリット、気を付けたいポイントなどを紹介しています。
加齢により音が聞き取りにくくなる加齢性難聴は、内耳の有毛細胞の減少が原因のひとつとされており、音が聞きづらくなるだけでなく音の高さの聞き分けの低下や、音が歪んで聞こえるといった症状が進みます。難聴は耳鳴りや認知症などにもつながるため、早めに医師の診断を受けて自分に合う補聴器を選ぶ必要があります。
難聴は「伝音難聴」「感音難聴」「混合性難聴」という3つのタイプに大きく分けられます。伝音難聴は外耳から鼓膜までの過程での障がい、感音難聴は内耳から脳までの過程で障がいがあることで起こり、混合性難聴はそれら2つのタイプが組み合わさったタイプの難聴です。自分がどの種類の難聴であるか正確に診断してもらい、適した補聴器を選びましょう。
補聴器は、精密な医療電子機器であるため耐久年数があり、一定期間を過ぎれば不具合を起こしやすくなるため快適に使うためにも買い替えをする必要があります。一般的には3年~5年のサイクルで買い替えをする方が多いようです。こちらでは、補聴器の耐久年数や買い替えタイミングの状況、買い替えをする際の注意点、お得な買い替え時期などの情報をまとめています。ぜひ参考にしてください。
補聴器の満足度を高めるフィッティングを用意している沖縄の補聴器販売店を11社調査。補聴器選びで大切な以下2点を押さえるている会社の中から、精度の高さや調整時の頼りやすさ、費用負担の少なさなど、後悔しないためのポイント別に、おすすめの3社を紹介します。
・レンタル・フィッティングあり…満足できる聞こえの補聴器を手に入れられる
・無料出張相談サービスあり…何度も調整が発生する中で、無理に店舗に行く必要がなく気軽に相談しやすい
納得いくまで無料調整OK
定期メンテナンスがある専門店
購入前の無料貸出サービス
2週間程度
創業50年以上
歴史があり経験豊富な老舗店
購入前の無料貸出サービス
1週間
月額制の最長3年
レンタルプランがある
購入前の無料貸出サービス
なし(店頭でのお試しのみ)
調査概要:WEB上で公式サイトを確認できた沖縄県内にある補聴器販売店11社を対象とした独自調査(すべて2021年11月時点の調査情報)
【選定基準】
以下2つの条件を満たす店舗の中から選定
・レンタル・フィッティングあり
・無料出張相談サービスあり
・精度の高いフィッティング・アフターサービス…全店舗に認定補聴器技能者が在籍する琉球補聴器。
・頻繁な調整時に相談しやすい親しみやすさ…対象店舗のうち最も創業年数が古い東江メガネ(1972年)。
・手軽に長く借りられる…月額レンタルプランがある会社の中で最も料金が安いOPTIQUE PARIS MIKI。
【参考価格】
公式サイト、または取扱いメーカーの補聴器(両耳用・既製品以外の商品)に記載されていた価格。
認定補聴器技能者
補聴器購入者の使用目的や環境、予算等の相談にのり、補聴器の適合調整や補聴効果の確認、使用指導を適切に行える専門的な知識・技能を習得している「認定補聴器技能者」として公益財団法人テクノエイド協会の認定を受けている技能者
認定補聴器店
補聴器協議会による資格審査を経て、公益財団法人テクノエイド協会の認定補聴器専門店名簿に登録された認定補聴器専門店
補聴器専門
補聴器に特化した商品販売、サービス展開をしているお店
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